2018年12月22日土曜日

京芸の色彩~金魚~

冬期講習会は、大阪本町教室でも開講中です。
 
京都市立芸術大学をめざす「京都芸大受験」講座より、色彩課題の紹介です。

今回は「色彩」の課題から。
テーマは「金魚」。

  

京芸の色彩課題では、色彩や絵具に関する基礎理解・技術が試されます。
それと同時に、出題に対する柔軟な表現力も重視されます。

「これが正解」というようなロールモデルは明確に提示されていないため、どういった絵にしていくか、受験生はあてなく迷ってしまうことが多いです。

いっぽうで、自分らしい作品をつくる絶好のチャンスでもあります。 

安易に奇をてらうのではなく、自分の芯を持つこと、自分の中にある世界を自信をもって見せることが大切です。
(これはアーティストとして世に出ていくうえで当然のことでもあるでしょう。)

出題条件を踏まえた上で、自分にしかできない作品、見た人に「そう来たか!」と言わせるような絵をつくることが、今後の課題かと思います。

本年も残りわずかとなりました。皆さまどうぞよいクリスマスを、よいお年をお迎えください。




2018年12月19日水曜日

銅駝をめざす~色彩~

昨日より「2019冬期講習会」が始まりました。
いよいよ入試に向けてのラストスパートです。

冬期は中学3年生向けに「銅駝(どうだ)高校受験」「美術系高校受験」講座を行っています。
その「銅駝~」講座より、早速昨日の作品を紹介します。


銅駝高校は「京都市立銅駝美術工芸高等学校」という、公立の美術系単科高校です。
1880年創立の京都府画学校の流れをくむ、歴史ある高校です。

 入試では鉛筆デッサンと、絵具によるイメージ表現の2課題があります。

「イメージ表現」の試験では、「言葉」と現物の「モチーフ」が提示されます。

受験者はそれらをもとに自由にイメージを膨らませ、色彩豊かな作品として仕上げることが要求されます。

今課題のモチーフは「ファスナー」、言葉は「不思議」でした。

上の作品は高い構成力と、大胆でハッとするような色彩感覚が目を引きます。

下の作品はシーラカンスのような魚とそれらを覗く黄緑色の目が、独自の世界観を感じさせます。

単にモチーフをリアルに描くだけが評価されるわけではありません。ありふれた表現ではなく、その人独自の世界が表現できているかが重視されます。

そのためには普段から色々なことに興味を持ち、自分の引き出しを増やしておくことが大切です。また、様々なモノを見ずに描く力も必要です。

「これが私です!」という世界を、思う存分アピールしていきましょう!




2018年12月9日日曜日

基本のかたち

高2生によるデッサンです。
立方体・円柱・球という、3つの基本形態を描いてもらいました。

身の回りのすべてのものは、こうした基本形態の描き方を応用すれば描きやすくなります。
簡単そうに見えますが、実はこれこそ最も大切な基礎です。

印象派を代表する画家セザンヌは、「自然を円筒、球、円錐として捉えなさい」という言葉を残しています。
複雑に見えるモチーフでも、単純な形態に置き換えて把握することが大切なのですね。



2018年12月1日土曜日

基礎科、中学生のデッサン

12月を迎えました。
今回は基礎科より、中学3年生の作品です。
この生徒は美術系高校を目指してデッサンを重ねてきました。
モチーフは瓶とレモン。やや形のゆがみがありますが、たいへん丁寧な観察と描写ができています。

京都や大阪には美術系専攻のある高校がいくつかあります。
入試では鉛筆デッサンに加え、絵具による色彩課題が課される高校もあり、入念な準備が欠かせません。

今年も本校の中学生たちは合格を目指して、互いに切磋琢磨しています。



2018年11月28日水曜日

白蕪とストライプコップ

高3生、3時間のデッサンです。
富山大学志望で、本日行われる推薦入試に向けて出発しました。

受験直前は、誰でも緊張で心の状態が不安定になりがちです。
特に遠方での受験は大きなプレッシャーがかかるでしょう。

このデッサンは受験前最後に描いたものですが、迫る緊張感と闘いながら力強く仕上げました。

試験を終え、無事に帰ることを祈ります。

2018年11月25日日曜日

ハンマーとノミ(鑿)で石を彫る両手

今回も高3生が多摩美術大学グラフィックデザイン学科の過去問に挑戦しました。
ハンマーとノミ(鑿)で石を彫る様子を描く課題。
実際の試験本番では、本物のハンマーやノミ、石などはありません。
両手以外はすべて想定、記憶と経験をたよりに描かなければなりません。

学校の授業などで、木材をノミで削った経験のある人はおられるかと思いますが、
石材を削ったことのある人はあまりいないのではないでしょうか。

木材用と石材用では道具の種類が違うので、実際に石を削ったことが無い限り、本物らしく描写するのはとても難しいことです。

一見無茶とも思えるような課題が出ることは他大学でもよくありますが、どんな条件でも柔軟に対応できるような力を、大学側は求めているのだと思います。

焦らず落ち着いて、自分の経験を信じて立ち向かいましょう。

2018年11月24日土曜日

京都造形芸大~推薦入試を終えて~

先日、京都造形芸術大学の推薦入試が終わりました。

デッサンで出題されるモチーフはすでに予告されていたので、受験生たちはこの数か月間、集中して対策に取り組みました。

予告されていた出題モチーフは、
紙コップ3個

8種類のモチーフのうちのひと種類

ということで、紙コップ以外のモチーフは本番でどれが出るのか分からなかったのですが、どのモチーフが出題されても描けるように何枚も練習を重ねました。





上は本町教室から受験した3名の作品です。
工業製品や果物、色の濃いもの薄いものと、様々な質感のものを描き分ける力が要求されています。
練習の甲斐あり、この3名は数ヶ月で格段に上達しました。

合否は気になる所ですが、ひとまず大きな壁をクリアできました。
またこれからの入試に備える日々が始まります。

2018年11月7日水曜日

花鳥風月

高卒生による「花鳥風月」というテーマでの色彩構成です。
絵のサイズは普段の四つ切画用紙よりも一回り大きい、木炭紙サイズ。

カラフルな鳥や枝に積もった雪は、最近話題の江戸時代の「あの画家」を彷彿とさせますね…。
昔の優れた作品を学んで、自分の表現に取り入れられています。
まさに温故知新ですね。

2018年11月4日日曜日

Wow!と花束

多摩美術大学のグラフィックデザイン学科の対策として、
昨年度の過去問を制作しました。(高3生、5時間)

「Wow!」という文字と花束を構成する課題です。
 構成の仕方や描き込みには工夫の余地がありますが、
限られた色彩を効果的に用いています。

関東の美術系私大は、関西の美術系大学とは入試傾向が大きく異なり、難関ですが、
果敢に挑戦しています。

2018年10月17日水曜日

いつもと違うデッサン

今回の高卒生のデッサンは、いつもとは違います…
さて、何が違うでしょうか?




おわかりいただけましたか?
実は、紙のサイズがいつもより小さめになっています。

普段は四つ切サイズといって、B5サイズ4枚分ほどの大きさでデッサンしますが、
今回はサムホール(SM)サイズ(22.7×15.8cm)と、かなり小ぶりです。
各自が選んだモチーフを、普段以上に細密に描写しています。

完成作を木製パネルに水張りし、桂教室入り口掲示板にて展示しています。
ぜひご覧ください。

2018年10月13日土曜日

デッサン「上履き、紙袋、ピンポン球」




高3生、3時間のデッサンです。
構成、描写ともに密度の高い作品になりました。

特に鉛筆のタッチがとても丁寧です。
綺麗なタッチを描くには、しっかり削った鉛筆を何本も揃えておくことが不可欠です。

短かくて丸い鉛筆ばかりではないか?
授業までにきちんと削ってきているか?
受験生の皆さんは常に気をつけてください。

道具のコンディションを整えるか否かで
作品のクオリティが大きく変わりますよ。

2018年10月9日火曜日

2018年 第2回描写コンクール

第2回描写コンクール

10月7日、桂教室において参加者19名で実施しました。
モチーフはソーダ瓶、Tシャツ、植物の枝(しきみ)
制作時間は4時間
今回は枝とTシャツが構成を考えるポイントでしたが
皆、悪戦苦闘していました。
上の作品は優秀作品
少し小ぶりな構成ですが
一つ一つのモチーフを大変丁寧に描き切っています。



2018年10月6日土曜日

着色写生「鴨の剥製」



透明水彩絵具を用いた着色写生です。
京都市立芸術大学を目指す浪人生2人の作品です。

京都芸大の入試では、数年前まで着色写生の課題がありました。
透明水彩は扱いが難しい画材ですが、慣れると楽しいものです。

モチーフに対し、鉛筆デッサンとは違ったアプローチを学ぶと
表現の幅が広がります。

2018年9月29日土曜日

立体「内包する形態」



黒のケント紙による立体課題です。
「内包」という言葉を3人の生徒が
それぞれ異なった表現で模索しました。

テーマの言葉を”かたち”で伝えるのはとても難しいですね。

2018年9月22日土曜日

デッサン「キッチンペーパーとポテトチップス袋」

高卒生、3時間の課題でした。
丁寧に観察できており、迫力があります。
このモチーフは今年の成安造形大学の入試で出されるものです。
 いよいよ入試の季節が迫り、一段と受験生の緊張感が増してきました。

2018年8月10日金曜日

デッサン「とうもろこしと缶ビール」


3時間、どちらも高卒生の作品です。
短い時間の中で必要なポイントを見出そうとしています。



2018年7月4日水曜日

色彩構成「花」

京都芸大対策 色彩 「花」
   
高卒生による作品です。(本画:3時間)
本課題では構想(モノクロ下絵による明度設計、着色したエスキース制作)に
6時間じっくり取り組み、本画に昇華させました。

この作品では構想でしっかり明度設計が行われていたため、
明快な色彩構成ができています

加えて、バラを入念に観察した成果がよく表れています。

2018年5月27日日曜日

30分クロッキー

30分クロッキー
「30分クロッキー」というタイトルですが、
上の作品は30分クロッキーを4枚経たあと、
総まとめとして1時間かけて描いた作品です。

構図は、やや対角線上に固まってしまいましたが
迫力のある陰影を表現できました。

ブログに授業時の様子をアップしているので
ぜひご覧ください!


2018年5月26日土曜日

京都芸大対策コース クレパスによる風景画

高卒生にパースの表現を学んでもらうために
クレパスで屋上からの風景画に挑んでもらいました。

京都芸大の入試にクレパスの持参用具はありません。
しかしこの画材で描写することで得るものは多くあるように思います。
 クレパスは面で表現出来たりスクラッチによる線的な表現も可能です。
それらを活かし鉛筆デッサンでは気づけなかったことに気づいてもらえたら
という思いで課題を組み立てました。
はじめはパースがガタガタだった作品。
目線の高さの基準に気づいてもらうことで統一感が出ました。
夕方の光の表現で情感も生まれました。

2018年5月15日火曜日

六面体デッサン

自由に選んでもらったモチーフを6面の方向から観察し
描写するという課題。
それを六面体に組み立てて完成!!

2018年3月10日土曜日

京都芸大入試再現作品 描写

2018年京都市立芸術大学 描写問題
合格者再現作品

基本形態(直方体、円柱、球)の出題です。
ロープの量がやや多く構成力が必要となりました。

2018年3月6日火曜日

金沢美大(日本画)対策 


金沢美大の着彩はモチーフがてんこ盛りです。
今の時期ですが1点細密着彩を研究してもらいました。

鱗も内臓もとってあるので少し平たいですが
やっぱりこれぐらいのスケールの魚は
描きごたえがあるようです。

2018年2月27日火曜日

月曜児童画教室から


月曜児童画教室は月末に月1で行っています。
毎回小学1年から3年くらいの生徒4~5人で
ほっこり絵を描いています。
今週は講師もモデルになったりしながらクロッキー大会を行いました!

ご興味のある方は京都美術学院まで



2018年2月20日火曜日

今日の2枚目(静岡文化芸術大学編)



テーマ:「音楽」を色面で表現しなさい。
(上:ベートーヴェン 交響曲第6番「田園」   下:シューベルト 「魔王」)

相対するイメージの2曲を、幾何構成で表現する課題でした。
「田園」の爽やかな軽快さ、「魔王」の陰鬱な激しさをよく感じ取っています。

普段から相対する言葉のイメージ表現を鍛えてきたUさん、
耳で感じる「音楽」も楽しんで描けたようです。

余談ですが、当校は昨年2月、音楽教室の上階に引っ越してきました。
今ではピアノやドラムの練習を聴きながら制作するのが日常となりました。
生徒たちは日々素敵な音楽に包まれながら制作に励んでいます。


今日の1枚 (京都工芸繊維大学編)



京都工芸繊維大学デザイン科学域の実技試験は平成24年度入試頃から
あまり素材の寸法や量などの指定の少ないイメージ優先型の想定描写に
移行していきました。

昨年の過去問は
「速度」の異なるものを自由に構成し,写実的に描きなさい。』
条件は「人物を描いてはいけない。」とあと何点かでした。

速度の異なるものをどのくらい思い浮かぶことが出来て
それを写実的に描き切ることが出来るか。
そしていかにA3画用紙に構成するかが課題となります。

上の作品は類似問題として
「回転する」異なるものを自由に構成し,写実的に描きなさい。』
を制作してもらった一例です。
回転ずしをメインに扱った点がなんとなくユーモラスで
各パーツの構造、質感等もしっかり描き切ろうとしています。






2018年2月19日月曜日

今日の1枚 



国公立前期試験まであと1週間!

生徒たちの実技の仕上がりも盛り上がってきています。
昨日は冷水筒、タオル、土を描てもらいました。
4時間の制限の中で描き切る力もあともう少しという所。
土、4時間では描き切れてなかったなあ~~