2022年12月13日火曜日

京都市立芸術大学入試対策 見開き作品の制作

京都市立芸術大学入試対策

見開き作品の制作

B3画用紙を折りこみ、開いた時にみえてくる展開力を考えてもらう課題。

意外な展開、ユーモア、壮大さなど色々切り口はありますが

構成力、明度設計など基本的な画面作りにもしっかり留意してもらいました。

 

ジャンボジェット機が離陸していく場面かとおもいきや

 

地面部分は実はもう一つの旅客機内のテーブルでした。

大変青が美しく飛行機のハイライト部分も冴えています。

 

 


 この作品も飛行機の作品(朝ドラの影響か?)

機内から朝日か夕日をゆっくりのぞんでいます。

が、

実は宇宙からの風景でもあったのです。つなぎ方が大変上手く壮大な

スケールに仕上がりました。

沖谷記

 

2022年12月11日日曜日

京都市立芸術大学入試対策 色彩  明度設計の必要性について

京都市立芸術大学入試対策 色彩 (桂教室より)

 明度設計の必要性について

 明度設計は色彩表現において骨格のようなものにあたります。

見せたい部分、脇役の部分を明度で認識しておくと色を迷わずに

塗ることが出来ます。

色には色相、明度、彩度の三要素がありますが

その中でも明度認識は疎かになりがちです。

 

下の2作は同一課題

リンゴ1/2、レモンをモチーフとして色彩表現しなさい。

 ※ボール紙を画面とし左側に無彩色で着色

右側に有彩色で着色すること。

制限時間:3時間

高3生
明快な明度設計でスムーズに視点が誘導されます。

半透明で浮遊しているリンゴの断面のような要素が少し形として気になります。

 

高卒生
迫力のある仕上がりになりました。影を主役にした作品ですがリンゴの断面も丁寧に

観察しています。筆遣いも美しいです。 


12月も半ばに近づいてきています。この調子で頑張ろう!!

 (沖谷)

2022年12月9日金曜日

【京芸立体】変身をテーマに衣類を作る

 京都市立芸大をめざす立体の授業、今回は応用編ということで「変身」をテーマに衣類を作るという課題で制作しました。 (制作6.5時間)

素材の条件も、必須のケント紙以外は自由とし、幅広い表現を試みてもらいました。

 

↑獣や怪物的な「鬼」をイメージ。 牙の造形が細かく丁寧です。本人は「想像以上に気持ち悪くできた!」と満足そうでした。
 
 
 ↑カツオノエボシというクラゲが人間に変身したらどうなるか、というユニークな発想から、烏帽子を制作。海洋生物らしい曲線や質感を造形に取り入れています。

 

↑子供のころ、親から冗談で「食べた種は体から生えてくるんだよ…」と言われていたことを思い出し、ブドウの種が腕から発芽し生長している様子を制作。やや小ぶりですが美しく丁寧に仕上りました。

 

↑ひっくり返ったバケツをかぶるとアルミが流れ出て…という発想。変身感がもうひとつほしいところですが、アルミ箔をふんだんに使った大胆な造形は目を引きました。
 

他にもユニークな作品がたくさん。ふだん立体が苦手な生徒も楽しんで制作していたのが印象的でした。

授業の最後には、全員が自分の作品を身につけ発表。ハロウィンやファッションショーのような合評会で楽しいひとときとなりました。

入試では条件の正確さや完成度が重要になり、普段の課題でもその緊張感で固まりがちですが、本来想像したり造形したりすることは楽しいことなんだということを思い出してもらえたなら幸いです。

創作する楽しさを胸に、冬期講習会や入試も乗り越えてほしいと思います⛄

(講師ino)

2022年11月29日火曜日

 モチーフ表現+イメージ表現

 モチーフ表現+イメージ表現

 「舞い散る」
高卒 3時間
 明度設計がしっかりしていてまとまりよく仕上がっています。
やはり想像だけで表現するより実物のモチーフからの表現は説得力が出てきます!!

「舞い散る」
高卒 3時間
ドラマチックな雰囲気で強いイメージが伝わります。
もう少し明度設計を考えてほしいところがあります。 

(沖谷)

2022年11月4日金曜日

【京都市立芸大 色彩】貼り絵で表現!

 京芸入試の色彩科目では、不透明水彩での着色課題がよく出題されますが、色紙などを切り貼りすることもあります。

今回の課題では画面に直接着色せず、色紙および着色を施した画用紙のみを貼るという条件で 取り組んでもらいました。(6時間半)

大テーマは「対比」ですが、各自で「対比」から連想した小テーマを設定しました。

↑「柔らかい・硬い」

↑「太陽・月」
 
↑「楽しい・悲しい」

↑「辛(つらい)・幸」


幅広い解釈や表現方法の作品群となりました。条件に従いつつ、いかに個性を表現するかが大切です。

(講師ino)

2022年10月8日土曜日

風景デッサンを行いました

 毎日の寒暖差が激しいこの頃です。

ようやく日差しも(やや)和らいできたので、教室内と屋外(ベランダ)で風景のデッサンを行いました。






(描いている様子を写真に収め忘れてしまいました…)

 普段は与えられたモチーフを描くことが多いですが、自分で描く場所を切り取ることで、あらためて表現するという事について自律的になってもらえたかと思います。

それぞれの着眼点や個性の違いがよく表れる課題となりました。

(講師ino)

2022年9月3日土曜日

とうもろこしを透明水彩で描く

 9月になりました。秋らしい爽やかな風が吹くたびに、夏が少しずつ遠ざかるのを感じます。夏期講習会も今週で終わりです。

桂教室の京都市立芸大クラスでは、透明水彩絵具を使った着彩デッサンに取り組みました。

透明水彩絵具とは、アクリルガッシュなどの不透明水彩絵具とは異なる性質を持ち、透明感を活かした描写に向いた絵具です。

10年ほど前までの京芸入試では「色彩」科目は2課題あり、透明水彩の着彩課題が出されていました。現在は着彩課題の試験は廃止されたものの、持参用具には いまだに透明水彩が表記されており、今後も色彩の試験で使う可能性のある絵具です。

 本校では描写力や色彩感覚を養うことを目的に、現在も透明水彩での着彩課題を時折おこなっています。

4時間半ほどかけ、丁寧に仕上げました。緑や黄色の鮮やかさを保ちつつ、薄く赤色などの補色を重ねることで自然な色味を作り上げています。

この作者は先日の某大手美術予備校での京芸模試(描写)において1位を獲得!本校での京芸模試でも各科目すべて1位となりました。他の生徒たちを引っ張ってくれています。

↑本校での京都市立芸大模試の1位作品

 いよいよ来週からは後期授業が始まります。私立大学の入試も近づいてきました。後期もがんばりましょう! ★後期授業のご案内はこちらから

(講師ino)


2022年8月18日木曜日

囲みモチーフに挑戦!

 8月に入ってもまだまだ残暑厳しいこの頃です。

夏期講習会も半分を過ぎました。

先日の高卒・高3生クラスは 、「囲みモチーフ」に挑戦しました。


 

レンガの上にガラス板を置き、その上に瓶や紙テープなどを組み合わせたモチーフです。

いつもの「四つ切画用紙」より一回り大きい「木炭紙大画用紙」を使い、普段は使わないイーゼルを使用しました。

モチーフ自体は基本的なものばかりでしたが、普段とは違う描写環境の中で、なかなか手が進まず苦戦する生徒がたくさんいました。


約7時間かけ完成!

ふだんはなかなかできないような大型モチーフを長時間かけて描けるのも、夏期講習会の醍醐味の一つです。

(講師ino)
 

2022年7月16日土曜日

人物を描く~クロッキーとデッサン~

 人物モデルのクロッキーとデッサンを行いました。

クロッキーは生徒同士が交代でモデルを務めながら、

デッサンは本校の修了生が特別にモデルとなってくれました。

普段は卓上デッサンが主なので、良い刺激になったかと思います。

↑流れるような線の中に、しっかり骨格がとらえられています。


↑平面的になりがちな真後ろからのポーズですが、部位によって線の強弱をうまくコントロールしているため、メリハリある量感を感じられます。


↑クロッキーとしてはやや硬い線描ですが、B.ビュッフェのような趣を感じます。

 

↑自然な人体の流れをとらえられています。見ていて心地よいデッサンに仕上がりました。

 

(講師ino)

 

2022年7月12日火曜日

中学生のデッサン

 

中学3年生 3時間

質感に臨場感のある仕上がり!

キュッキュッと鳴りそうな皮の表現が目を引きます。

これが中学3年生の作品であることが驚きです。

目と完成の成長が素晴らしい。

(オキタニ)

2022年6月7日火曜日

京都府立植物園にてスケッチ授業

 

6月5日(日曜日)中学生から高卒生までを引率して京都府立植物園にスケッチをしてきました。

自然に近い環境に生育している植物を描くことは、画像や切り花をみて描くのとは

全く雰囲気が違います。立体感、匂いなどを感じながら植物の美しさを研究してもらいました。

今後の制作に活かしてほしいです。

 

帰りに陶板名画の庭に寄りました。

原寸大の「最後の審判」を観て唖然とする生徒達

ミケランジェロの壮大な仕事は心を打ちます。

 僕も気合が入りました。

(沖谷 )

2022年5月29日日曜日

複雑な色面構成~基本から念入りに~

 

 

京都市立芸術大学をめざす高卒生の作品です。

自分の手と幾何形態を組み合わせ、色面構成してもらいました。(12時間)

立体的な面の明暗や奥行きに応じて、適切な明度・彩度の有彩色を平塗りする練習です。

構成や配色にメリハリがあり、強い印象を残す作品に仕上がりました。


講師いの

2022年5月10日火曜日

組モチーフ課題(7時間)

約7時間をかけて組モチーフを描いてもらいました。

ねらいは

1.構図をどう切り取るか(余白の形の美しさを考える。)

2.円柱に対しての視点の統一感を確認する。

3.モチーフと空間を相対的に見ながら形を決定していく。

2点の作品は微妙な歪みや弱点はありますがなにを描きたいのかがはっきりしている作品と思います。薄く見える円柱の形や水で屈折した像など丁寧に表現しています。

(講師 沖谷)

2022年5月7日土曜日

京都市芸対策立体


 高卒 

テーマ「交差」3時間

薄口ケント・黒ケントを使って四面体を作り構成。

緊張感もあり、ダイナミックに構成されている、良い作品だと思います。

2022年5月3日火曜日

高卒描写

高卒 6時間

近くの神社で。

風や音を感じながらデッサンしてもらいました。

色彩に展開していきます。


 

2022年4月16日土曜日

ケント紙で立体を作る~初心にかえって~

 

新年度最初の投稿になります。今年度もよろしくお願いいたします。

今回は京都市立芸術大学(京芸)をめざす浪人生の作品です。

「ケント紙で3つの立方体と円錐を作って組合せ、『緊張』というテーマで、自立する立体を制作しなさい」という課題でした。

この作品は条件をふまえて、緊張感ある造形に成功しています。

非常にベーシックな工作力が試される課題ですが、意外と経験者でもミスがちらほらありました(^^;)

この作者は昨年度から本校に通い続けていて、普段から非常に丁寧な立体作品を制作してきましたが、今年の入試では残念ながら合格叶わず…この春から再挑戦のスタートです!

※京芸の入試は4~5科目の共通テストに加え、実技試験では、「描写(鉛筆デッサン)、色彩、立体」の3科目が課されます。(総合芸術学科は共通テストと描写のみ)

科目が多いうえ、それぞれバランスよく習得する必要があるため、なるべく早期からの対策が必要です。

(講師ino)

2022年3月6日日曜日

ワイン瓶の色面分割~継続は力なり!~

 

高校3年生の作品です。(15時間程度)

ワイン瓶の実物を観察しながら、陰影や模様に沿ってアクリル絵具で面を塗り分ける課題でした。

瓶自体はオリーブグリーンなので、ある程度はその固有色を表現しつつ、赤紫や青色などの差し色が効果的に入れられています。いい色彩センスです。

 

この作者は去年の夏からデッサンを習いに来はじめました。最初はかな~り不安な出来だったのですが、 着実に力をつけ、秋には見事に志望大学に合格!その後もやめずに、基礎力をつけるために通い続けてくれています。

絵具の課題は冬から始めたばかりですが、(失礼ながら)こんなに良く完成出来るとは思っていませんでした。積み重ねた努力がセンスを引き出しているのかもしれません。

まさに「継続は力なり」ですね!大学でも地道にがんばってほしいなと思います。

ino

2022年2月19日土曜日

京芸の色彩~生命を表現する~

 

京都市立芸大志望の高校3年生の作品です。(八つ切り大の画面、3時間)

テーマは「生命」。にじみやカスレを用いずに、分割した面をムラなく”平塗り”する課題です。(近年の京芸入試では平塗り課題がよく出題されます。)

それに加え、金色の折り紙を貼り付ける条件でした。

この作品は、塗り方はやや雑な部分が多いですが、テーマである「生命」を効果的に表現しています。

まず、単に花を描くだけではなく、画面を明部と暗部に分け、それぞれに「咲いている花」と「枯れた花」を配置することで生命の有無を効果的に対比しています。

また、光の当たった花びらにだけ金紙を用いることで、生命感を強調しています。

このようにテーマを自分なりに深く考察し、条件を活かしてわかりやすく表現することが重要なポイントです。

 

ino

2022年2月15日火曜日

京都市立芸術大学実技模擬試験 色彩課題

 

京都市立芸術大学実技模擬試験

色彩課題

「光と影」を色彩で表現しなさい。(3時間)

 

猫の影をユーモラスなフォルムで表現しています。

夜空も美しい

街並の色彩にもう少し情感を込めた色調があればよかった。

2022年2月10日木曜日

京芸模試の優秀作品


 先日本校で行なった「京都市立芸大実技模試」での、描写の優秀作品です。

コピー用紙一包とテニスボール、黒のビニルテープをモチーフとして出題しました。 

基本形態である〈直方体・円柱・球〉の応用です。

正確な大きさや比率、幅広い色や質感の差、加工を含む構成の工夫など、デッサン力を総合的に問う出題でした。

この作品はかなり高いクオリティですが、明かなレタリングのズレなど、まだまだ課題点を残しています。

試験まで残り2週間、更にステップアップできるよう頑張りましょう!

 (ino)

2022年1月22日土曜日

名画の模写(カラヴァッジョを描く)

 

高校2年生による模写作品です。

カラヴァッジョによる油彩画「勝ち誇るキューピッド」を、アクリルガッシュを用いて模写しました。

模写にかかった総制作時間は、なんと48時間…!

この作者は単に図を写すだけでなく、描かれたモチーフが何を意味するかを調べたり、大阪で展示されていたカラヴァッジョの実物を見に行ったりと、非常に研究熱心でした!

名画を模写することによって、先人の優れた技法や色彩感覚などを学んでもらえたのではと思います。

 

ino